シャムロックに乾杯!アイルランド09夏-27

キルメイナムで祈りを捧ぐ
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KILMAINHAM GOAL
ギネスストアハウスで、世界一美味いビールを味わい
ギネスのロゴ入りシャツを購入して外に出てきたら、まだ3時。

まだ、行けるな。

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やってきた、ここは

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重い木の扉に、石の壁

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アイルランドを語る上で、外すことの出来ない

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キルメイナム刑務所です。

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このキルメイナム刑務所は、1796年に建てられ、1924年に閉鎖されるまで
10万人以上を収容してきました。
石灰岩で作られたこの刑務所は、雨の日には水が漏れ、湿気と冷気により
ほとんんどの収容者が健康を害したそうです。
しかしながら、1845年から1847年にかけた大飢饉では、逆に刑務所にいた方が
食物も施され、刑務所は貧窮に苦しむ人々であふれかえったとのことです。

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アイルランド独立運動に携わった指導者などが、収容され処刑された
アイルランドを語る上で、忘れてはならない存在です。

ここには、4年前にも訪れたことがあるのですが
我が家を出発前に、気分を高めるために
「マイケル・コリンズ」のDVDを見たものですから
無性に、また訪れたくなってしまっていたのです。


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パノプティコン(一望監視施設)と言い、看守から囚人は見えるが
囚人からは看守が見えない
その結果として、囚人は常に監視をされていると意識せざるを得ない状況を
作り上げています。


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キルメイナムの見学は、ガイドツアーによってのみ可能です。
先を行くのは、ガイドの女性です。

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訪れたのは、7月の観光シーズンでもあり
このように40人ほどのガイドツアーとなりました。
こちらは、THE WEST WINGの独居房。
狭い通路なので、長蛇の列となってしまい
なかなかガイドの声も明瞭に聞く事が困難でした、この場所では。

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1924年に刑務所として役割を終えた後
この建物は老朽化され放置されていたそうですが
記念碑として、この建物の保存運動がはじまり1984年に現在のような形で公開
されたそうです。

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この刑務所内のチャペルでは、1916年5月4日イースター蜂起のリーダーの一人で
あったジョセフ・プランケットが処刑の数時間前に同じく収監されていたグレイス・
ギフォードと
薄暗いチャペルのキャンドルライトの下で、結婚式を挙げたそうです。
英国兵士が銃を構える中で誓約をし
そして、たった10分間だけ一緒にいることが許され、ただちに処刑された
そんな歴史もあったようです。


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さて、外の明かりが見えてきました。

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中庭に出てきました。
アイルランド共和国の国旗が、たなびいていました。

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1時間に亘るガイディングをしてくれた女性
指差すモニュメントは

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1916年のイースター蜂起で捕らえられた14名が、この場で処刑された事を記す
プレートです。
5月3日から12日にかけて4回に亘り処刑が行われたそうです。

唯一殺されなかったのが、後に2度アイルランド首相になったエイモン・デ・ヴァレラ
アメリカ国籍を有しているという理由で処刑を免れたとも言われています。
エイモン・デ・ヴァレラは、その後何度も刑務所を行ったりきたりを繰り返し
ここキルメイナム刑務所が1924年に幕を閉じた際には、最後の釈放者と
なったそうです。

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イースター蜂起で捕らえられた政治犯が処刑された場所

キルメイナムで祈りを捧ぐ(完)

本編は、もう少しあります
シャムロックに乾杯!アイルランド夏-28に続く


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この記事へのコメント

  • ぷーちゃん

    刑務所のツアーですか。大変興味深いですね。
    (^ー^* )
    2009年10月07日 00:43
  • yakko

    お早うございます。
    刑務所ツアーですか〜 (@_@;)
    ちょっと恐そう・・・・
    2009年10月07日 06:03
  • デルフィニウム

    10分のしかも死が待っている逢瀬で何を語ったのでしょうか?
    何も語らず抱擁のみだったのか。
    知りたいような知りたくないような気持ちです。
    2009年10月07日 08:26
  • 二兎丸

    重い歴史を重ねた国だけに、刑務所も重厚ですね。
    …とか言いつつ、続きを読む前に上のほうの写真を見て
    あら、こんなお部屋好き(>ω<)♪ 
    って思っちゃった(笑)
    2009年10月07日 10:02
  • sig

    空の暗さがこの事実の重々しさを更に高めていますね。
    新しい歴史であるだけに、ちょっとたまりませんね。
    2009年10月07日 11:15
  • ぽて

    床が畳じゃない。そりゃそうだ、ヘンな所に注目してしまいました。
    10分間だけの夫婦であった瞬間・・・
    せめてもの計らいだったのでしょうか、胸に迫りますねぇ=_=
    2009年10月07日 11:27
  • cjlewis

    こういう場所の歴史を聞くたび、辛い気持になります。
    人はなぜ争い、処刑などというものを行ってしまうでしょうか。
    2009年10月07日 13:47
  • くまら

    読み入ってしまいました。
    刑務所のツアーに参加した事ないですが
    もう一度読んでみたいそんな内容でした^^
    2009年10月07日 15:51
  • 甘党大王

    忘れちゃいけない事ですよね。。。
    2009年10月07日 17:56
  • OMOOMO

    おしゃれな(?)刑務所でびっくりしました。
    いろいろな歴史があったんですね。
    飢饉で、手厚い、施しを受けたり、
    10分間の夫婦だったり・・・
    2009年10月07日 21:25
  • pace

    外の明かりが自由の光に見えますね
    2009年10月07日 21:37
  • kuwachan

    こんばんは。
    こちらでは初めまして。
    フォトの方ではお世話になっています(^^ゞ
    私のブログにお越しくださり、nice! ありがとうございました。
    アイルランドの歴史がずっしりと心に響きます。
    どうぞよろしくお願いします。
    2009年10月07日 21:53
  • 八犬伝

    TO:ぷーちゃんさん
    「マイケルコリンズ」そのものの世界でしょ。

    TO:yakkoさん
    恐いと言うか、歴史の重みが
    ずしんと響きます。

    TO:デルフィニウムさん
    本当ですね
    どういう10分間を過ごしたのでしょうかね?
    2009年10月07日 21:59
  • 八犬伝

    TO:二兎丸さん
    あら、そうでしたか
    何でしたら、収監されますか(^^ゞ

    TO:sigさん
    そうですね
    近代史ですものね
    とても重いです。

    TO:ぽてさん
    畳じゃないですよ(^^ゞ
    どんな10分間だったんでしょうね?
    とても興味が、ありますね。
    2009年10月07日 22:08
  • 八犬伝

    TO:cjlewisさん
    そうですね
    特に、この刑務所の場合は
    独立運動の闘士達ですからね
    とても重いものがあります。
    祖国の土に還っていく意味が。

    TO:くまらさん
    ありがとうございます。
    ここは、本当に
    訪れる価値のあるところです。

    TO:甘党大王さん
    そうです。
    アイリッシュにとって、絶対に忘れてはいけない場所だと思います。
    2009年10月07日 22:11
  • 八犬伝

    TO:OMOOMOさん
    アイルランドって、歴史に翻弄されてきた国なのです。
    ここは、とっても重いですよ。

    TO:paceさん
    ようこそお運びくださいました。
    そうなのですが
    この外の明かりの下に出ることは
    処刑されることを、意味したのですね。
    恐ろしいことですね。

    TO:kuwachanさん
    ようこそお運びくさいました。
    どうぞ、よろしくお願いします。
    アイルランドは、とても奥が深いですよ。
    2009年10月07日 22:15
  • CC

    処刑場の小さな十字架は、なんともいえない淋しい景色ですね。。。
    2009年10月08日 00:09
  • ka14

    すごい雰囲気ですね!

    行ってみたくなりました!
    2009年10月08日 01:28
  • やまがたん

    訪問ありがとうございました^^
    ( ゚∀゚)o彡°広告もランキンクも゙☆ポチッとオウエン☆
    2009年10月08日 05:43
  • デルフィニウム

    一番最初の女の子たちのような若い方たちの心に響きますように。
    2009年10月08日 07:55
  • mamii

    興味深く読ましていただきました。
    2009年10月08日 14:34
  • 八犬伝

    TO:CCさん
    そうなんです
    高い壁に比して小さな十字架
    胸に迫るものがありました。

    TO:ka14さん
    もしもアイルランドに行くチャンスがありましたら
    是非、お出掛けください。
    ここは、凄いですよ。

    TO:やまがたんさん
    いつも、ありがとうございます。
    2009年10月08日 23:32
  • 八犬伝

    TO:デルフィニウムさん
    そうですね
    これからの世代こそ、知っておくべきことかもしれませんね。

    TO:mamiiさん
    とても重いものがあります
    この国の歴史には。
    2009年10月08日 23:34
  • Nyandam

    陽気で明るい街の近くには重い歴史の遺産が。
    今の平和が続くことを祈らずにいられません。
    2009年10月09日 11:35
  • るる

    思く、分厚い歴史が横たわっているのですね。
    2009年10月09日 15:04
  • あおい君と佐藤君と宗男議員

    一枚目の写真は、映画のポスターかと思いました。(笑)
    うひゃ~!
    この刑務所、200年以上も経ってるんですかぁ~?
    すごいですね~。
    パノプティコン(一望監視施設)って言うんですか?
    ここはトップライトがあって明るくて広いんですね。
    それに比べて、独房は狭いですね~。
    でも、ワンルームマンションには、このくらいの処がありますね。(笑)
    2009年10月09日 22:30
  • 八犬伝

    TO:Nyandamさん
    そうですね
    ベルファストでは、つい数年前
    いや北アイルランドでは、小さい衝突はまだ続いています。
    根深い問題のようですよ。

    TO:るるさん
    そうなんです
    とても奥深く重たいものがありますよ。

    TO:宗男議員
    おおっ、映画のポスターね。
    ここは、展示室なんですよ。

    いましたなあ
    コロムビア・トップ・ライト
    2009年10月09日 23:05
  • クール

    重く深い話・・・・。
    皆さん、何を感じ取って帰るのでしょう。
    2009年10月10日 07:58
  • opas10

    ヨーロッパの刑務所に染みついた歴史の重みが伝わってきます。同じ刑務所史跡でも、SFのアルカトラス島の、ちょっと突き抜けたような空気感とはエラい違いですね。
    2009年10月10日 11:24
  • 八犬伝

    TO:クールさん
    歴史に翻弄された国アイルランド
    学ぶべき事は、沢山あり
    とても重たいものがあります。

    TO:opas10さん
    ここは、アイルランド独立運動の闘士が収監された刑務所ですので
    その屈折したもどかしさ
    と言うのでしょうか
    とても、重い空気が流れています。
    2009年10月11日 22:03

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